『ジュリエットからの手紙』

2011/8/1 ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。


ニューヨークで雑誌の調査員として働くソフィは、婚約者のヴィクターとイタリアのヴェローナに婚前旅行でやって来る。ところが、レストランの開店を予定しているヴィクターはソフィそっちのけで食材探しに夢中。仕方なく、一人で“ジュリエットの家”を訪れたソフィ。偶然にも、壁の中にあった一通の“ジュリエット・レター”を見つける。それは、50年前にイタリアを訪れ、そこで出会った青年ロレンツォと恋に落ちた英国人女性クレアが書いたものだった。その手紙にソフィが返事を書いたところ、それを受け取ったクレアが孫のチャーリーを伴ってはるばるイタリアまでやって来た。ソフィはクレアの話を聞くと、ロレンツォを捜し出そうと提案、こうして3人で50年前の初恋の相手を捜す旅が始まるのだが…。

[出典]http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338843



ベッタベタな王道恋愛ストーリー。だがそれがいい


正直、全然期待しないで観にいきました。公開当初なんて「某食べて祈って恋しちゃう系の映画っぽいな〜」などと思ってた位だったのですが…。私が間違ってました!と土下座したくなるくらい素敵でした。

第一印象はサイアク!!でも、話してみたら意外とイイ奴かも?なんか一緒にいて楽しいし、素の自分でいられる…あれ?もしかして私彼のこと…?という少女マンガ的展開(ex.「ガラスの仮面」の真澄様とマヤ)が大好物な私のような人種にとっては、もうたまらない映画だと思います!

まず、本作を一番讃えたいのはキャスティング。(キャストは公式サイトを参照)
気が強くて可愛いヒロイン・ソフィ(アマンダ・セイフライド)に、イケメンシェフだけど自分勝手な婚約者・ヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)。ソフィの返事を読んで昔の恋人を本気でヴェローナまで探しに来る可愛いおばあちゃん・クレア(バネッサ・レッドグレーブ)、超ヘタレでひねくれ者だけど実は人権派弁護士だったりするクレアの孫・チャーリー(クリストファー・イーガン)。そしてクレアのかつての恋人で渋カッコイイおじいちゃん・ロレンツォ(フランコ・ネロ)。
このハマリすぎ(で、ある種記号的)なキャスティングのおかげで、ややもすると醒めた目で観られかねないご都合的展開も気になりませんでした。むしろ、そのファンタジックな世界観に思いっきり浸れてよかったです。もちろん全編にわたる細やかな演出や、ヴェローナという非日常的なロケーションもあったと思いますが。
特にヴィクターとチャーリー、この2人はまったく異なる魅力を放っていてすごく良かったと思います。ガエルはその濃ゆくてうっとおしい演技が大好き!そりゃあんなに自分勝手にふるまってたら逃げられるわ!ということで100点!そして、チャーリー役は彼の為にあったんじゃないかと思うほどのクリストファー・イーガンの好演!!いやもう1000点!彼は生来のヘタレだと思います。(失礼)
正直、私は途中からチャーリーばっかり観てましたw 本当にもう彼のヘタレぶりには上映中何度こぶしを握りしめたことか…!「行け!そこだチャーリー!なんでいかないんじゃー!」と座席で悶える始末。たとえばクレアとロレンツォの再会後、すぐにソフィがヴィクターの元へ帰ってしまうのですが、クレアに諭されたチャーリーが追いかけて目にしたのはホテルのバルコニーで抱き合うソフィとヴィクター!そうしてチャーリーは失意のままその場を後に……ってこら!!ちょっと前に「もし俺がロミオだったら囁くなんてナマなことしてないで、バルコニーからジュリエット掻っ攫っちゃうけどね(ドヤッ)」とか言ってたくせに!ロミオ以下!

だいぶ好き勝手言いましたが、私はこの作品すごく楽しめました。観終わった後は、ヴェローナを吹き抜ける風のようにさわやかな気分になれること間違いなし!

チャーリーのヘタレぶりだけでも一見の価値ありですw