『X-MEN:ファーストジェネレーション』感想

見た日:7/10(日比谷スカラ座)、7/12(地元のワーナーマイカル)、7/19(銀座シネパトス)

【あらすじ】
ソ連との冷戦が続く1960年代のアメリカ。後にプロフェッサーXと呼ばれ、X-MENを設立する青年チャールズ・エグゼビアは、強力なテレパシー能力を持つミュータント。彼は、自分と同じように超人的な能力を持つ者が次々と出現していることに気づく。そんな中、幼い頃に母親と引き裂かれた悲しい過去を持つエリック・レーンシャーと出会う。彼もまた磁力を操り、金属を意のままに動かすことができるミュータントだった。ミュータントたちを結集し、その能力を人類のために使い、平和を築きたいと考えるチャールズは、エリックに協力を依頼する。次第に友情を育んでいくチャールズとエリック。そんな2人の前に、ミュータント集団“ヘルファイヤークラブ”を利用して世界征服を企む男セバスチャンが立ちはだかる。しかもセバスチャンは、エリックにとっては母親の仇でもあった。やがて、チャールズとともに若きミュータントたちを率いてヘルファイヤークラブに戦いを挑むエリックだったが…。
[出典]http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339180



最強の超能力を持つ2人の男の、邂逅と訣別の物語。



公開された後、しばらく経ってから会社の後輩と観に行きました。きっかけはなんだったか忘れましたが、Twitterのタイムライン上で評判が良かったからかな?
その時は「ちょっと気になってる」位で、『X-MEN』シリーズすら実は未見でした。
なので、とりあえず前日に後輩の家で1と2だけ予習してから行ったのですが…

これがすごく面白かったです。どストライク!

久々にパンフを買ってじっくり読んだり、映画ブロガーさんたちの感想を読み漁ったりしていたらどんどん好きになってきて、気づいたら2回目の上映に行っていましたw



※(一応)ネタバレしています※




本作の一番の魅力は、チャールズ(後のプロフェッサーX)とエリック(後のマグニートー)の関係だと思います。
出会うべくして出会い、互いを理解し、一番心を寄せ合い、理想を共有したはずなのに、最終的に袂を分かつことになる親友。
そんな複雑な心の移ろいが作品中で本当に良く表現されていて、もう切ないのなんのって!
ラブラブ仲の良いシーン(お仲間スカウト大作戦とか、トレーニングのシーンとか)が幸せそうだったもんだから尚更です。
なので、決別のシーンのチャールズには思わず怒りを覚えましたよ…(あそこでエリックをとりあえず抱きしめてでもいれば、その後の運命も変わったような気がします)(小声)


それから、レイブン(後のミスティーク)の少女から大人になっていく過程が丁寧に描かれている所も大好きです。
ずっと"普通の外見"でいることが当たり前に育った彼女は、エリックに指摘されて初めて「"本当の自分"とは?」と考えるようになる。
そして、「好きな人には"本当の自分"を認めてほしい」というごく当たり前の気持ちでチャールズにそれを求めますが、彼は取り合ってくれない。
一方チャールズはレイブンを恋人ではなく家族(妹)と思っていて、人々の好奇の目にさらされて彼女が傷つくことを恐れ、レイブンに「"普通"でいろ(=本当の自分を見せるな)」という。
このすれ違いが本当に切ないです。お互いが大事に思いあっているというのに…!
そしてレイブンは「もう隠さなくていいんだ。"本当の君"を見せてくれ。」という言葉をくれたエリックについていく道を選ぶんですよね〜。

しかもチャールズってば「ごめんな、俺じゃお前を幸せにする自信ないから、お前のことを大事にしてくれる男のとこに行けよ」(超意訳)
とか言っちゃうし…。
こ、このあほー!!


閑話休題

しかし本作はわりと登場人物が多いにも関わらず、どのキャラクターにも感情移入できて、それぞれの見方で何度も楽しめる素晴らしい作品だと思います。
唯一、チャールズだけはちょっと理解しがたいところもありますがw
でも彼の言葉や行動は、きっと彼なりの深い考えがあってのことだと思うので(それがたとえ間違っていたとしても)それを考えるのもまた楽しいんですよね。


実は昨日見納めで3回目観に行ってきたのですが、やっぱりエリックの「I want you by my side」にはぐっときます。
マイケル・ファスベンダーの目の演技に、涙腺が刺激されました。


しょっぱなから長々と語ってしまいましたが、本当に素敵な映画なので「まだ行ってないなー行きたいなー」という東京近辺にお住まいの方は銀座シネパトスへGOすることを強くオススメします!


私はとりあえず昨日Amazonサントラ(UK盤)と『X-MENトリロジーBD BOX』をポチりましたw
本作を踏まえて観たらまた違った面白さがありそうなので、今から楽しみです。





【好きなシーン&ツッコミ箇条書き】

・セバスチャン・ショウ初登場シーン。ステキ眼鏡!あと「ヤー!ウンダバー!」大好き。使いたい。
・チャールズのチャラい自己紹介&ナンパ「チャールズ、チャールズ・エグゼビア(キラッ☆)」
 これ、劇団ひとりの「かっこいい自己紹介」のよう。
・レイブンがチャールズに嫉妬するとこと甘えるとこ可愛い
・ハンクとレイブンのキス直前に「kinky〜」って入ってくるエリック
・ミュータント仲間スカウト大作戦。テンポ良し&音楽が合ってて最高!
・ヤングミュータント同士の友情と絆も良かった。皆かわいい。ダーウィンも好きだったのに…涙。
・トレーニング全般。特にエリックのは泣けた…。
・チェスのシーンで、「俺たちはより良い人間になろうゼ!(うろ覚え)」というチャールズに対してエリックが言った一言
 「We already are.(すでにそうだろ?)」
・アゼザルさんのかっこいいナイフ&尻尾さばき
・それに比べて鈍くさいリップタイドさん(ドアの下敷きって!)
・エリックが潜水艦持ち上げるシーンのクライマックス感たるや!サイコー!